かたファクトリー

絵を描いたり、おさいほうをしたり、DIYやったり、曲つくったり。 趣味で色々つくった物の制作日誌です。

休日のデザインはベツバラ2

どうも、かたです。

前回、壁に貼るポスターをデザインしたよっていう記事を書きましたが、今回は、そのデザインしたポスターをアクリル絵の具でぺとぺと書き起こしたので、その時の思い出を書いていきたいと思います。

 

えーと、まずはですね、前回のデザイン編でもお出ししたんですが、デザイン案はこちらです↓

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the velvet undergroundの「Candy Says」という曲より

 

このデザインからもお分かりになるかと思うんですが、もうもう、手順としては至ってカンタン! 難しいことなど、何一つしておりません!!

ただただ、絵の具の匂いとか、筆を滑らせる感触とか、マスキング剥がしの爽快感とかを感じているうちに、もうあっという間に終わってしまいますのでね、是非ともやってみてください!

楽しいですよ!!


と、いうことで、もうこんなもん、手順もへったくれもないようなもんですが、一応順を追って。

 

1.背景づくり

まずは下地の色を塗っていきます。

デザイン案の段階では、赤み強めのベージュというか、流行りの感じでいうとダスティーピンクみたいなイメージで作ってましたが、まあ、白の絵の具に黒とピンクとイエローをちょびっとづつ適当に混ぜまして、全面に塗りました。

ここでバビっとムラなく綺麗に塗ってもキレイですが、せっかくアナログで塗っているので、もうあんまりムラとかは気にせず、むしろムラムラさせる感じで全体を塗っていきます。

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で、それだけだと味気ないので、上からガンガンブルー系とかグリーン系とかイエロー系のくすんだ色を塗り重ねていきます。

ここまで塗りたくると、下地のピンクは必要なのか疑惑が浮上してきますが、まあ、それもあまり気にせず。

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そして、ちょっとやりすぎたかなーという位、思うままに塗りたくったところで、上からまた下地と同じ色のピンクを塗り重ねて、いい感じの背景にします(適当)。

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まあ、適当といいつつ、何気に何回かやり直していますが・・・。

あ、絵の具をたっぷり筆に乗せてぐわっと塗るところと、もう筆がカッスカスの状態くらいで塗るところと変化を付けると、大分いい感じになります。

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2.デザインを出力してトレース

そんな感じで下地ができましたらばね、ここで、パソコンで作ったデザインを原寸大でプリントアウトします。

今回はB3サイズの縦幅が短い感じで製作しておりますが、我が家のプリンターはA3が最大出力サイズ。なので、2枚に分けてプリントアウトして貼り合わせております。

 

そしてそのプリントアウトした紙の裏側を、2Bとかの鉛筆で塗りつぶします。もう日頃の恨みつらみ、悲しみ憎しみその他諸々を吐き出す感じで、無心でひたすら真っ黒にしましょう。

で、本番の下地を塗った紙にぴたっと合わせましてね、表面の必要な線をなぞるという、何とも原始的な方法で下地を塗った紙にトレースしていきます。トレースした線は、後で消しゴムで消せるので、ちょっと黒く塗る工程がめんどいっちゃあめんどいんですが、この方法が今んとこベストなトレース方法だと思っております。

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3.マスキング

で、トレースが終わりましたら、線に沿ってマスキング。

この辺りの作業が、だいぶ「作業」って感じですね。地味ー!! でも、マスキングは、キレイに貼れば、キレイに仕上がるというご褒美がありますので、ちょっとグッと集中して頑張ります。

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4.セラミックスタッコ!

で、マスキングが終わりましたらね、ここで登場「セラミックスタッコ」!!!!

 

はい。

この「セラミックスタッコ」というのはですね、「複数の樹脂球体を含んだ不透明の盛り上げ剤」とパッケージの裏に書いてある通り、何か、砂みたいなツブツブが入ったペーストみたいなやつです。これを塗ると、お手軽にざらざらの質感が作れます。画材屋さんのアクリル絵の具のコーナーに行けば、多分どこでも買えます!

こういうゴツゴツザラザラした質感は、印刷屋さんの特殊印刷とかでも聞いたことがないので、作品が途端に「ザ・1点物!」って感じになってうれしい。

まあ、遠目に見たらあんまり分かんないんですけどね。でも、単純に作品の質量が上がると、何か存在感というか、愛着が沸くので、よい!! と思います。

 

で、黒色の絵の具にこのセラミックスタッコを混ぜて塗っていきます。

そして、塗り終わって、絵の具が乾く前にマスキングを剥がしたら、ほら!

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ソリッドなー、エッジがー、現れたではありませんかー。

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うーん、気持ちいい。

よし、ここまできたらね、もう終わったようなもんです。

 

5.インスタントレタリング

あとは、左上の文字もアウトラインをトレースして、マスキングして絵の具でびゃっと塗る。と、見せかけて、私は今回ズルをしまして、「インスタントレタリング」という裏技を使っております。

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こちらが噂のインスタントレタリング様です。

 

mac台頭以前のデザイナーさん達は、まーよく使っていたらしいので、別に裏技ってわけでもないのですがね。何か、うちのダンナになんかぶつぶつと、「キレイに文字を書きたいんだったら、やっぱ気合いしかないかなあ?」みたいに相談したら、これを教えてもらいましてね。

我が家は、結構年齢差のある夫婦なんですが、初めてこの歳の差が役に立った瞬間だったような気がします。うーん一家に一台、mac以前のデザイナー。

 

まあ、それはいいとして。

「インスタントレタリング」はですね、「インレタ」とか「イント」とか言われてますけども、今でもどうやらプラモデルとか、鉄道模型とかやっている人にはお馴染みのアイテムらしいです。まあ、要は転写シートです。

転写したいところに乗っけて擦れば、バビっと綺麗に仕上がります。最高。

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色も選べるし、業者さんによっては多色のシートも作れるらしいし、文字だけじゃなくてマークとかのシートも作れるので、すごい便利だなーって思います。

 

ただ、ちょっとシートを作ってもらうのに費用がかかってしまうので、まーピンポイントでちょこっと使うくらいにしておいた方がよろしいかと思われます。

結構ね、アナログでの製作となると、絵の具代や紙代とかもね、まあ、ひとつひとつは数百円のものなんですが、まーちょこちょこちょこちょこかかってくるので、こんなもんにインレタとか使ってしまうとねー、うーん、出費が嵩む。。。

でも、パソコンで打った文字が寸分違わず、しかもあっという間に転写できてしまうのは、結構魅力的。これからも、まあ、使い所を考えて、利用していきたいなと思います。

 

はい。

と、余計な話を書いていたらですね、何だか長くなってしまったのですが、最後に、細めの油性ペンで「from me?」の部分を入れましてね、はー、完成でございます。

 

6.額装して完成!

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ちょっと額縁なんかに入れてみると、なんか益々それっぽい!

馬子にも衣装とはよく言ったもので、こんなもんでも、きちんと額装すると、きちんとした作品らしくなります。ヤッタネ!!

 

記念にですね、まあ、調子に乗ってこのポスターらしきものの前で、「Candy Says」を歌ってみましてね、今回のメイキングもばばばっと動画に纏めたものをインスタグラムにアップしておりますのでね、よろしければご覧ください! っていうか、せっかく撮影したので、誰かどうか見てやってくださーい!!

 

 
 
 
 
 
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はい、そんな感じで、ポスター作りの思い出はこれにておしまいです。

いやー、楽しかった!

いつもはmacでデザインして「はい終わり」ってな仕事をしておりますが、たまには絵の具に触れてみるもんですね!

 

ということで、今回はこれにて。

では、また!

休日のデザインはベツバラ

【はりきらない省エネデザイン】頑張らず、ただ楽しくポスター作りましょう!! の回

 

どうも、かたです。

やー、なんだかすっかり間が空いてしまったのですが、またちょいとお楽しみの一環として、ポスターみたいなものを作ったので、その制作にまつわるあれこれをご紹介したいなと思います!

ちなみにわたしは、本業はグラフィックデザイナーで、毎日毎日チラシとかパンフレットとか、それこそポスターとか、色んな紙媒体のデザイン業務をしてご飯を食べてる人です。ですがね、本ブログでは、わたしの趣味の話をしておりますのでね、今回のこのお話、実用的かといわれると、そうでもないかもしれません。

まあ割と、だらっと肩の力を抜いてですね、「デザインするって楽しいねー‼︎」みたいな、そういうピュアめな思いが、最終的に伝われば幸いでございます。

ということで、ポスターデザイン、始めまーす。

 

壁に飾る何かを作りたい! けど、それほど手間はかけたくない。
そんな時はタイポグラフィに限る!!

はい。ということでですね、とりあえず、今回の制作の発端になったのは、「なんか壁まわりが殺風景だなあ」と思ったことでございます。

でも、心が荒みきってしまったおばさんデザイナーはですね、「金ももらわずにデザインなんぞ出来るか!」とかいって、既成のポスターとかパネルとかを買ってこようかとも思ったんですが、まあ、せっかくなので何か作りましょうかね、と。

 

とはいえ、魂を込めて絵を書くとかね、渾身の一枚の写真を撮って印刷するとかってなると、なんか、めちゃくちゃハードルが高い。

はっきり言って、そんな元気はないのですよ。

 

しかもわたくし、割と飽きっぽい性格でもありますので、なんか目を血走らせて、ゼーゼーいって作り上げたものでも、何かの拍子に「飽きた」とかゆって、あっさり捨てたりする可能性もなきにしもあらず。。。

なんでね、もうもう、お気軽・インスタントに、ぺろっとさくっと作れるもの、そして飽きたらすぐ捨てても怨念が残らないものがいいな、と思いまして。

 

となったら、まあ、タイポグラフィあたりが最適解ではないでしょうか。

なんせ世の中には、すばらしいデザイナーの方々が作った、美しいフォントの数々がありますのでね、それをちょいと拝借しまして、とんとんとんと並べましたら、あら簡単!

なんとなーく、それっぽいものができますでしょう! ヤッタネ!

 

と、そんな感じで、いい感じに創作意欲のレベルが下がったので、とりあえず、アドビ様のIllustratorを開いてみます。

 

まずは手始め、「しのごの言わずにヘルベチカ!」な1案目

もう気持ちを楽ーに、リラックスしてですね、できたのがこちらのデザインです↓

 

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シーセッドイエー!


はい。

欧米コンプレックスなわたしは、ついつい英文を並べたくなります。ですが、わたくし何を隠そう、英語力はほぼありませんので、ラリー・ウィリアムズさんの名曲「She said year」の歌詞を引用いたしました。こういうところも、かなり省エネっております。

ちなみにこんな曲です↓↓

She Said

She Said "Yeah"

  • ラリー・ウィリアムス
  • ブルース
  • ¥153
  • provided courtesy of iTunes

 

はい。まあ、それはいいとしてですね、デザインはね、まあ、並べただけっちゃあ並べただけなんですが、「この手の曲にはやっぱヘルベチカだ!」と確信を持って作ったデザインでございます。

あ、ヘルベチカというのは、言わずと知れた超スタンダードなフォントの名前です。

このヘルベチカなんですけど、癖もなく、シンプルなので、一見なんて事ないフォントなんですがね、見れば見るほど、バランスが良いのです。

太さとかのバリエーションも山ほどありますからね、ちょっとした英文のテキストとか、スタッフクレジットとか、あんまり目立たせたくない部分に使っても、するっとよく馴染みます。その一方で、上のデザインみたいに、もう並べるだけでメインを張れたりもする、とても美しい万能フォントです。

超優秀!!

 

上のデザインでは、縦長のウエイト太めのやつを選んでますが、この縦長太めのヘルベチカが、ソリッドで不良っぽい、ロックンロールの雰囲気を醸し出せると思ってます。

って、そうなるとラリーさんのバージョンというより、ストーンズとか、アニマルズとか、60年代のブリティッシュビートのあたりのバンドがカバーしたバージョンのイメージで作ってますね。

まあ、私はオリジナルよりも、カバーバージョンをよく聞くタイプなもので。。いたしかたない!!

うーん、それにしてもヘルベチカ、かっこいいなあ。

 

と、いうのがですね、何か3分くらいで出来てしまったので、もうちょっと別のアプローチから、もう一つ作ってみましょう。

 

「アベニールとデザインフォントで、もうちょいグラフィカルに!」な2案目

はい。ということで、できた2案目はこちらです↓

 

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シーセッドイエー!その2。

 

こちらはもうちょっと元気よく、曲の賑やかしさが伝わるようにしてみました。

なんか、みちみちと、文字の大きさ変えたり、横に倒したりして、パズルみたいに組んでいきまして、まあ、「こういうデザイン、よく見るよね」っていう感じの仕上がりです。

ちなみに、この、その2の方のメインのフォントはアベニールというフォントですね。

アベニールもシンプルでスタンダードなフォントですが、1案目のヘルベチカよりも、もうちょっと丸っこい感じがあるので、すこーしだけ、可愛らしい感じというか、キャッチーな雰囲気になりますね。とはいえ、丸っこさを強調しすぎているタイプでもないので、まあ、これも色んな場面でよく使います。素敵です。

「Dum deedle dee dum dum」のところは、ちょっとアナログ風味な加工の入ったデザインフォントに変えて、その辺でも紙面上にアクセントを出しています。

こっちの方は、何か原曲に近いイメージといいますか、古いアメリカのリズムアンドブルース!って雰囲気になりますね。と、わたしは思っておりますが、いかがでしょーか?

 

デザイン案を作りながら、迷いはじめるわたし。。。

と、2案作ってみたところでですね、わたくし、はたと思いました。

やっぱり、仕上げは手書きでいきたいな、と。

いやね、このデータを印刷屋さんに注文してですね、ぱっと仕上げてしまってもいいんですがね、それだけだとあまりにも味気ない気がします。

冒頭に書きましたとおり、最近ちょっとお疲れ気味で、たかが家のポスターに割く労力はあんまり残ってないんですが、とはいえせっかく作るんだったら、もう少しスペシャル感を出したいところです。

 

となると、1案目も2案目も、文字が多くて鬼めんどくさい。手書きとはいえですね、書体の美しさはきちんと出したいですからね、マスキングとか、ロットリングとか、烏口とかを駆使して、丁寧にやらないと、ちょっと残念な仕上がりになるよなー、とか何とか、ぶつぶつ考えてしまいました。

 

あ、あと、歌詞を引用した「She said year」という曲なんですけどね、まあ、その向きの、その時代の音楽が好きな人に、この曲嫌いな人はいないと思いますし、私としてもご多分に漏れず、大好きなことには違いないんですが、うーん、「この歌詞、壁に貼るの?」とか思ったら、ちょっと何か違うかな、とかも思いましてね。

 

ということで、上でご紹介いたしましたデザインは、さよならします。

ごめんね、2つのデザインたちよ。お焚き上げ的に、ここで紹介したから許しておくれ。

 

仕切り直して3案目! 本命のデザイン完成!

と、まあ、そんなこんなで、できた3案目はこちらです↓

 

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キャンディさんが何か言ってたらしいですよ、のあの曲。

 

はい。

こちらはヴェルヴェットアンダーグラウンドの「candy says」をお題として拝借して作りました。3枚目のアルバムの1曲目のやつですね。

こちらはこんな曲です↓↓

 

うん。何かこの位、陰気で静かな曲の方が落ち着きますね。

まあ、私が作ってるのはポスターなんでね、音が鳴ってる訳じゃないんですが、まあ、見るとその曲思い出すんでね、貼って飾っておくとなると、部屋のテーマソングになってしまう気がするのですよ。なので、私としては、こういう曲の方がいいかなと。

 

デザインにつきましては、既存のフォントも使いつつ、右下にちょっとグラフィカルな要素を入れたりとか、手書きっぽい字も入れたりとかしてみたりなんかして、すこーしだけ、アートな雰囲気を入れております。

結局「既存のフォントを並べて、お手軽に! 」という感じでもなくなりましたね。右下のぐにょぐにょした曲のタイトル部分は、しれっと自分で作ってます。多分1案目と2案目で手を動かしてるうちに、何か思いついたんでしょうねぇ。いやー、ノープランで始めても、何かがちゃがちゃ作業してるうちに、アイディアがまとまってくるのは、よくあることです。

とはいえね、斬新さとかオリジナリティとか、全然ないです。多分素材検索とかしたら、すぐ出てくるデザインだと思います(笑)。でも、デザインなんてそんなもんです。なんとなく「おしゃれじゃね?」と感じられたら、それでいいんですよー。

 

あと、ちょっと触れておきたいのが、この余白の多さについて。

まあ単純に、みっしり要素があったら、手描きでやるのダルいっていうのが大きな理由なんですがね、こういう、ぽつぽつと、何もないようなデザインがね、曲のイメージによく合っていると思っております。

 

と、いうことで、ベースのデザインは完成でございます。

 

次回は、このデザインをアクリル絵の具で書き起こした時の思い出を書いていきたいなと思います。

あ、ちなみにですね、データ上では何かのぺっとしてますが、実際に書き起こしたものは、背景部分の色を塗り重ねてみたり、ジェッソを使って質感に変化を出したりと、上のデザインから、もう少し変化を加えておりますので、よろしかったら、ぜひ次回もご覧くださいませ。

 

ということで、今回はこれにて。

ではまた!

10年以上前にデザインしたフライヤーをリメイクしてみよう!! のやつ!!!!

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どうも、かたです!!

 

今回はですね、昔のデザインをリメイクしてみようっていう、巷でイラストレーターさんとかがよくやってるあれをですね、わたしもやってみたっていう感じのやつです!

 

昔ね、「ほぼ日刊イトイ新聞」で奈良美智さんが、糸井重里さんとの対談で言ってたんですよね。

 

二十歳のとき描いたものを、
自分が25歳だったらぜんぶ消しちゃうよね。
30歳でもぜんぶ消しちゃう。
でも、二十歳のときの絵を、
40歳の自分だったらうまく直せると思う。
30歳のときは10年前の自分の若さが
恥ずかしくて許せないと思うけど、
40歳になったら、それを残して、
違うところをいじることができると思う。
いま、ぼくはもう50歳だから、
いくらでも直せる(笑)。
いい感じに直せて、完璧なものに近づいていく。 

 

引用元:ほぼ日刊イトイ新聞 - NOWHERE MAN IN THE SPACESHIP

 

って。

 

これ、はじめに読んだ時はわたしも20代の半ばくらいで、今回リメイクする元のフライヤーを作ってすぐくらいの頃でした。

で、その時は何となく「素敵な話だなあ」と思っただけだったんですが、今、わたしももう38歳ですよ。はたと20代の時に制作したものを見ましたらですね、「あ、あのとき奈良美智さんが言ってたのってこういう感覚かな」と、ちょっと実感として分かったような気がしましてね。

なのでもう、これはやるしかないぞ、と、今回の作業に取り掛かった次第でございます。

 

まあ、奈良さんみたいに立派なものは今も昔も作れてないんですが、それはさておき、はりきっていきましょう!

 

今回リメイクする元の作品はこちら

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・・・・・はい。

なんというか、うーん、びっくりする位汚いですね。

 

自分でやってたバンドのライブ告知のフライヤーなんですが、確か初めてデジタルで着彩した作品のような気がします。

着彩っていうか、何か色で汚しただけ、みたいになってますけども。。。

 

でもね、何か不気味なものを描きたかったんだとは思うのですよ。その気持ちだけはね、当時の自分を認めてあげたい。

特に右下のエスカルゴちゃんなんかね、なんてキュートなデザインでしょう! 今でもわたし、大好きな子でございますのよ。

 

まあ、無理矢理褒めてみましたが、直すところは多いです。

このフライヤーの修正したいと思ったところと、そのまま残したいと思ったところは下記のとおりです。

 

この作品の修正したいところ

  • 汚い
  • がちゃがちゃしていて視点が定まらない
  • 文字が読めない
  • 人物のデッサン
  • ランタン持ってる人の服装の装飾が過剰

 

この作品の残したいところ

  • ベースのキャラデザ
  • 不気味な雰囲気
  • 構成

 

こんな感じでしょうか。

これを踏まえて、さあ、レッツリメイク!

 

リメイク後の作品はこちら

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どうでしょう?

 

いやー、だいぶ変わってしまいましたね。

まあ、元が元なので仕方ねえです。

でも、何が描いてあるのかが分かりやすくなったし、全体的にまとまったし、何かランタン光ったし、よくできたのではないでしょーか。

 

あと、わたくし本業は一応グラフィックデザインをやってるんですが、デザイナー目線で一番「よくやった!」と思う修正点は、文字がちゃんと読めるようになったところですね!

元のフライヤーでは、何月何日にどこでやるのか、お知らせする気が微塵も感じられない、狂気じみた仕上がりでしたが、修正後のものは、フライヤーとしてきちんと機能するものになったかと思います!

あと、元のフライヤーには、連絡先みたいなのがどこにも書いていなかったので、それも何となく追加しておきました。

 

ちなみに、イラストはPhotoshopで書きまして、文字の配置はIllustratorでやってます。

 

イラスト部分は、メイキング風のGIFも作ってみたので、よろしかったらどうぞ!

 

イラスト部分メイキング風GIF

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厳密には、ちょこちょこ色調整したり、位置調整したり、描いたり消したり色々諸々やりましたが、まあざっくりこんな流れで仕上げました。

 

いやあ、自分的にはなかなか大仕事でしたねえ。

誰からもお願いされていない作業なだけに、言い訳がきかないし、締め切りなんかもあるわけないから、いつまでもどこまでも手を入れられるので。

 

でも、めちゃくちゃ楽しかったです!

また10年寝かせて、ほじくり返したいな、と思っております!

 

と、いうことで、今回はこれにて。

ではまた!