かたファクトリー

絵を描いたり、おさいほうをしたり、DIYやったり、曲つくったり。 趣味で色々つくった物の制作日誌です。

休日のデザインはベツバラ

【はりきらない省エネデザイン】頑張らず、ただ楽しくポスター作りましょう!! の回

 

どうも、かたです。

やー、なんだかすっかり間が空いてしまったのですが、またちょいとお楽しみの一環として、ポスターみたいなものを作ったので、その制作にまつわるあれこれをご紹介したいなと思います!

ちなみにわたしは、本業はグラフィックデザイナーで、毎日毎日チラシとかパンフレットとか、それこそポスターとか、色んな紙媒体のデザイン業務をしてご飯を食べてる人です。ですがね、本ブログでは、わたしの趣味の話をしておりますのでね、今回のこのお話、実用的かといわれると、そうでもないかもしれません。

まあ割と、だらっと肩の力を抜いてですね、「デザインするって楽しいねー‼︎」みたいな、そういうピュアめな思いが、最終的に伝われば幸いでございます。

ということで、ポスターデザイン、始めまーす。

 

壁に飾る何かを作りたい! けど、それほど手間はかけたくない。
そんな時はタイポグラフィに限る!!

はい。ということでですね、とりあえず、今回の制作の発端になったのは、「なんか壁まわりが殺風景だなあ」と思ったことでございます。

でも、心が荒みきってしまったおばさんデザイナーはですね、「金ももらわずにデザインなんぞ出来るか!」とかいって、既成のポスターとかパネルとかを買ってこようかとも思ったんですが、まあ、せっかくなので何か作りましょうかね、と。

 

とはいえ、魂を込めて絵を書くとかね、渾身の一枚の写真を撮って印刷するとかってなると、なんか、めちゃくちゃハードルが高い。

はっきり言って、そんな元気はないのですよ。

 

しかもわたくし、割と飽きっぽい性格でもありますので、なんか目を血走らせて、ゼーゼーいって作り上げたものでも、何かの拍子に「飽きた」とかゆって、あっさり捨てたりする可能性もなきにしもあらず。。。

なんでね、もうもう、お気軽・インスタントに、ぺろっとさくっと作れるもの、そして飽きたらすぐ捨てても怨念が残らないものがいいな、と思いまして。

 

となったら、まあ、タイポグラフィあたりが最適解ではないでしょうか。

なんせ世の中には、すばらしいデザイナーの方々が作った、美しいフォントの数々がありますのでね、それをちょいと拝借しまして、とんとんとんと並べましたら、あら簡単!

なんとなーく、それっぽいものができますでしょう! ヤッタネ!

 

と、そんな感じで、いい感じに創作意欲のレベルが下がったので、とりあえず、アドビ様のIllustratorを開いてみます。

 

まずは手始め、「しのごの言わずにヘルベチカ!」な1案目

もう気持ちを楽ーに、リラックスしてですね、できたのがこちらのデザインです↓

 

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シーセッドイエー!


はい。

欧米コンプレックスなわたしは、ついつい英文を並べたくなります。ですが、わたくし何を隠そう、英語力はほぼありませんので、ラリー・ウィリアムズさんの名曲「She said year」の歌詞を引用いたしました。こういうところも、かなり省エネっております。

ちなみにこんな曲です↓↓

She Said

She Said "Yeah"

  • ラリー・ウィリアムス
  • ブルース
  • ¥153
  • provided courtesy of iTunes

 

はい。まあ、それはいいとしてですね、デザインはね、まあ、並べただけっちゃあ並べただけなんですが、「この手の曲にはやっぱヘルベチカだ!」と確信を持って作ったデザインでございます。

あ、ヘルベチカというのは、言わずと知れた超スタンダードなフォントの名前です。

このヘルベチカなんですけど、癖もなく、シンプルなので、一見なんて事ないフォントなんですがね、見れば見るほど、バランスが良いのです。

太さとかのバリエーションも山ほどありますからね、ちょっとした英文のテキストとか、スタッフクレジットとか、あんまり目立たせたくない部分に使っても、するっとよく馴染みます。その一方で、上のデザインみたいに、もう並べるだけでメインを張れたりもする、とても美しい万能フォントです。

超優秀!!

 

上のデザインでは、縦長のウエイト太めのやつを選んでますが、この縦長太めのヘルベチカが、ソリッドで不良っぽい、ロックンロールの雰囲気を醸し出せると思ってます。

って、そうなるとラリーさんのバージョンというより、ストーンズとか、アニマルズとか、60年代のブリティッシュビートのあたりのバンドがカバーしたバージョンのイメージで作ってますね。

まあ、私はオリジナルよりも、カバーバージョンをよく聞くタイプなもので。。いたしかたない!!

うーん、それにしてもヘルベチカ、かっこいいなあ。

 

と、いうのがですね、何か3分くらいで出来てしまったので、もうちょっと別のアプローチから、もう一つ作ってみましょう。

 

「アベニールとデザインフォントで、もうちょいグラフィカルに!」な2案目

はい。ということで、できた2案目はこちらです↓

 

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シーセッドイエー!その2。

 

こちらはもうちょっと元気よく、曲の賑やかしさが伝わるようにしてみました。

なんか、みちみちと、文字の大きさ変えたり、横に倒したりして、パズルみたいに組んでいきまして、まあ、「こういうデザイン、よく見るよね」っていう感じの仕上がりです。

ちなみに、この、その2の方のメインのフォントはアベニールというフォントですね。

アベニールもシンプルでスタンダードなフォントですが、1案目のヘルベチカよりも、もうちょっと丸っこい感じがあるので、すこーしだけ、可愛らしい感じというか、キャッチーな雰囲気になりますね。とはいえ、丸っこさを強調しすぎているタイプでもないので、まあ、これも色んな場面でよく使います。素敵です。

「Dum deedle dee dum dum」のところは、ちょっとアナログ風味な加工の入ったデザインフォントに変えて、その辺でも紙面上にアクセントを出しています。

こっちの方は、何か原曲に近いイメージといいますか、古いアメリカのリズムアンドブルース!って雰囲気になりますね。と、わたしは思っておりますが、いかがでしょーか?

 

デザイン案を作りながら、迷いはじめるわたし。。。

と、2案作ってみたところでですね、わたくし、はたと思いました。

やっぱり、仕上げは手書きでいきたいな、と。

いやね、このデータを印刷屋さんに注文してですね、ぱっと仕上げてしまってもいいんですがね、それだけだとあまりにも味気ない気がします。

冒頭に書きましたとおり、最近ちょっとお疲れ気味で、たかが家のポスターに割く労力はあんまり残ってないんですが、とはいえせっかく作るんだったら、もう少しスペシャル感を出したいところです。

 

となると、1案目も2案目も、文字が多くて鬼めんどくさい。手書きとはいえですね、書体の美しさはきちんと出したいですからね、マスキングとか、ロットリングとか、烏口とかを駆使して、丁寧にやらないと、ちょっと残念な仕上がりになるよなー、とか何とか、ぶつぶつ考えてしまいました。

 

あ、あと、歌詞を引用した「She said year」という曲なんですけどね、まあ、その向きの、その時代の音楽が好きな人に、この曲嫌いな人はいないと思いますし、私としてもご多分に漏れず、大好きなことには違いないんですが、うーん、「この歌詞、壁に貼るの?」とか思ったら、ちょっと何か違うかな、とかも思いましてね。

 

ということで、上でご紹介いたしましたデザインは、さよならします。

ごめんね、2つのデザインたちよ。お焚き上げ的に、ここで紹介したから許しておくれ。

 

仕切り直して3案目! 本命のデザイン完成!

と、まあ、そんなこんなで、できた3案目はこちらです↓

 

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キャンディさんが何か言ってたらしいですよ、のあの曲。

 

はい。

こちらはヴェルヴェットアンダーグラウンドの「candy says」をお題として拝借して作りました。3枚目のアルバムの1曲目のやつですね。

こちらはこんな曲です↓↓

 

うん。何かこの位、陰気で静かな曲の方が落ち着きますね。

まあ、私が作ってるのはポスターなんでね、音が鳴ってる訳じゃないんですが、まあ、見るとその曲思い出すんでね、貼って飾っておくとなると、部屋のテーマソングになってしまう気がするのですよ。なので、私としては、こういう曲の方がいいかなと。

 

デザインにつきましては、既存のフォントも使いつつ、右下にちょっとグラフィカルな要素を入れたりとか、手書きっぽい字も入れたりとかしてみたりなんかして、すこーしだけ、アートな雰囲気を入れております。

結局「既存のフォントを並べて、お手軽に! 」という感じでもなくなりましたね。右下のぐにょぐにょした曲のタイトル部分は、しれっと自分で作ってます。多分1案目と2案目で手を動かしてるうちに、何か思いついたんでしょうねぇ。いやー、ノープランで始めても、何かがちゃがちゃ作業してるうちに、アイディアがまとまってくるのは、よくあることです。

とはいえね、斬新さとかオリジナリティとか、全然ないです。多分素材検索とかしたら、すぐ出てくるデザインだと思います(笑)。でも、デザインなんてそんなもんです。なんとなく「おしゃれじゃね?」と感じられたら、それでいいんですよー。

 

あと、ちょっと触れておきたいのが、この余白の多さについて。

まあ単純に、みっしり要素があったら、手描きでやるのダルいっていうのが大きな理由なんですがね、こういう、ぽつぽつと、何もないようなデザインがね、曲のイメージによく合っていると思っております。

 

と、いうことで、ベースのデザインは完成でございます。

 

次回は、このデザインをアクリル絵の具で書き起こした時の思い出を書いていきたいなと思います。

あ、ちなみにですね、データ上では何かのぺっとしてますが、実際に書き起こしたものは、背景部分の色を塗り重ねてみたり、ジェッソを使って質感に変化を出したりと、上のデザインから、もう少し変化を加えておりますので、よろしかったら、ぜひ次回もご覧くださいませ。

 

ということで、今回はこれにて。

ではまた!